いわもと皮フ科クリニック

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医療コラム

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脇汗・多汗症の治療法 | ボトックスや塗り薬で改善できる?費用や効果を解説

2026/05/20

「気温が高くないのに脇汗が止まらない」「シャツに汗ジミができてしまう」「人前で手を握ることに抵抗がある」――そんなお悩みを抱えている方は、もしかすると「多汗症」かもしれません。

多汗症は、気温や運動量などの外的要因とは関係なく、必要以上に汗が出てしまう病気です。「体質だから」と諦めている方も多いですが、実は皮膚科で保険適用の治療を受けられるケースも増えており、医療機関で改善を目指せる症状です。

特に薄着になる5〜6月以降は、汗ジミ・においを気にする方が急増します。気になり始めた段階で早めに対策を取ることで、夏を快適に過ごすことができます。

藤沢・辻堂・茅ヶ崎エリアで多汗症治療を行っているいわもと皮フ科クリニックでは、塗り薬からボトックス注射まで、症状に合わせた治療をご提案しております。この記事では、多汗症の特徴・セルフチェック・治療法・費用まで、皮膚科専門医の視点から分かりやすく解説します。

多汗症とは?|ただの汗っかきとの違い

多汗症は、体温調節に必要な量を超えて、過剰に汗をかいてしまう状態を指します。日常生活や仕事に支障をきたすレベルの発汗は、医学的には治療対象となる「疾患」です。

多汗症の主な症状

・気温・運動と関係なく汗が出る
・緊張・ストレスで汗が一気に吹き出る
・衣服に汗ジミができてしまう
・手のひら・足の裏が常に湿っている
・汗とにおいで人前に出るのがつらい

多汗症が起こりやすい部位

脇(腋窩多汗症):最も相談が多い
手のひら(手掌多汗症):書類が湿る、握手が気になる
足の裏(足底多汗症):靴の中が蒸れる
顔・頭皮:化粧崩れ、汗だくになる

多汗症のセルフチェック

以下の項目に当てはまる場合、多汗症の可能性があります。

・6か月以上にわたって過剰な発汗が続いている
・発汗で日常生活や仕事に支障が出ている
・寝ている間は汗が止まる
・左右対称に汗が出る(片側だけでない)
・25歳以下から症状がある
・家族に同じような症状の人がいる

これらに複数当てはまる場合は、「原発性局所多汗症」と呼ばれるタイプの多汗症が疑われます。皮膚科での診察をおすすめします。

多汗症の原因|原発性と続発性

多汗症は原因によって2種類に大別されます。

原発性多汗症(特発性多汗症)

明らかな原因がないのに発症するタイプで、多汗症全体の大半を占めます。

遺伝的要素が関与すると考えられている
・特定部位(脇・手・足など)に限局して出ることが多い
・思春期前後から発症することが多い
・自律神経のバランスの偏りも関連

続発性多汗症

何らかの病気や薬の副作用で起こるタイプです。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)
糖尿病
更年期障害
感染症(結核など)
薬剤性(抗うつ薬・解熱鎮痛薬など)

続発性が疑われる場合は、原因疾患の治療が優先されます。診察時に問診や検査で見極めていきます。

心理的要因の影響

ストレス・緊張・不安は交感神経を刺激し、多汗を悪化させます。「汗が出ること自体が気になる」というプレッシャーが、さらに発汗を増やす悪循環に陥ることもあります。

多汗症の治療法|段階別アプローチ

多汗症の治療には、複数の選択肢があります。症状の強さや部位、ライフスタイルに合わせて選択します。

①市販の制汗剤(軽症)

ドラッグストアで購入できる制汗剤・デオドラント剤です。

・塩化アルミニウム配合のものが効果的
・ロールオン・スプレー・クリームなど形状もさまざま
・軽度の脇汗には効果が期待できる

ただし、重度の多汗症には効果が不十分な場合が多いです。

②保険適用の塗り薬(外用治療)

近年、多汗症に保険適用となる外用薬が登場しています。

エクロックゲル(ソフピロニウム臭化物)
・脇の多汗症に保険適用
・1日1回、就寝前に塗布
・神経からの汗の指令をブロックする作用

ラピフォートワイプ(グリコピロニウムトシル酸塩)
・脇の多汗症に保険適用
・1日1回、シートで拭き取るタイプ
・使い捨てで衛生的

外用薬は副作用が比較的少なく、初めての治療としても取り組みやすい選択肢です。ただし継続的な使用が必要で、効果には個人差があります。

③ボトックス注射(自費診療)

外用薬で十分な効果が得られない場合や、より高い効果を求める方には、ボトックス注射が有効です。

ボトックス注射の仕組み
・汗腺への神経伝達をブロック
・注射した部位の発汗を大幅に抑える
・効果は4〜6か月程度持続
・効果が切れたら追加で注射

メリット
・即効性がある(1週間程度で効果実感)
・1回の施術で長期間効果が続く
・ダウンタイムがほとんどない
・脇・手のひら・足の裏に対応可能

デメリット
・効果は永続的ではない
・自費診療(保険適用外)
・注射時にチクッとした痛みがある

「夏の前に対策したい」「結婚式・大事なイベントに合わせたい」といったタイミングに合わせて施術を受ける方が多いです。

④外科的治療(重症)

ボトックスでも改善が乏しい重度の多汗症には、外科的アプローチもあります。

ミラドライ(マイクロ波で汗腺を破壊)
胸腔鏡下交感神経遮断術(ETS手術):手のひら多汗症など

これらは専門施設での治療が必要となるため、必要に応じて連携医療機関をご紹介します。

多汗症ボトックス注射の費用・回数・効果

ボトックス治療は多汗症治療の中でも特に効果が期待できる選択肢です。

費用の目安(自費診療)

脇(両側):22,000円〜
手のひら(両手):22,000円〜
足の裏(両足):22,000円〜

※医療機関によって料金は異なります。
※いわもと皮フ科クリニックでは各部位22,000円で実施しております。

効果の持続期間

・注射後1週間程度で効果を実感
・効果のピークは2〜4週間後
・持続期間は4〜6か月程度
・効果が切れたら追加注射

施術の流れ

・診察・カウンセリング
・施術部位の確認・マーキング
・ボトックス注射(10〜20分程度)
・当日からシャワー可能(こすらないよう注意)

ダウンタイムは最小限で、当日から普段どおりの生活が可能です。

日常生活でできる多汗症対策

治療と並行して、日常生活でできる対策を取り入れることで、多汗症のコントロールがしやすくなります。

衣類・素材の工夫

・通気性の良い綿・リネン素材を選ぶ
・汗ジミが目立ちにくい色(白・黒)を選ぶ
・脇汗パッドを活用する
・替えのシャツを持ち歩く

食生活の見直し

・辛い物・カフェイン・アルコールは発汗を促進
・大豆イソフラボンは女性ホルモンを補う
・水分補給はこまめに(汗の質が変わる)

ストレスマネジメント

・深呼吸・瞑想で交感神経を鎮める
・十分な睡眠
・適度な運動(自律神経を整える)

制汗剤の使い分け

・朝の出勤前
・運動・外出前
・就寝前(成分により)

シーンに合わせた使い分けで効果を最大化できます。

【FAQ】多汗症に関するよくある質問

Q. 多汗症は何科を受診すればいいですか?

脇・手・足など皮膚の症状であれば皮膚科が適しています。皮膚科では塗り薬・ボトックス注射まで対応可能です。原因疾患が疑われる場合は内科や内分泌科をご案内することもあります。

Q. ボトックス注射に副作用はありますか?

注射部位の腫れ・赤み・内出血が出ることがありますが、数日で改善します。脇のボトックスは比較的安全な施術ですが、手のひらの場合、一時的に握力が低下することがあります。施術前のカウンセリングで詳しくご説明いたします。

Q. 保険適用の塗り薬とボトックス、どちらを選べばいいですか?

まずは保険適用の塗り薬から始め、効果が不十分な場合にボトックスへステップアップする方が多いです。「夏前にしっかり効果を出したい」「イベントに合わせたい」場合は、最初からボトックスを選択する方もいらっしゃいます。診察時にご相談ください。

Q. ボトックス注射はどのくらい痛みますか?

細い注射針を使用し、極めて浅い部位に少量ずつ注射します。「チクッ」とした軽い痛みを感じる程度で、ほとんどの方が問題なく受けられます。痛みが心配な方には冷却・表面麻酔のオプションもあります。

Q. 妊娠中・授乳中でもボトックスは受けられますか?

妊娠中・授乳中の方はボトックス治療をお控えいただいております。出産・授乳後のご相談をおすすめいたします。

Q. 多汗症は治る病気ですか?

原発性多汗症は完治する病気ではありませんが、治療で症状を大幅にコントロールできます。「日常生活に支障が出ないレベル」まで改善することは十分可能です。

Q. 子どもでも治療できますか?

未成年の方の場合、まずは塗り薬からの治療開始をおすすめしています。ボトックス治療は基本的に成人を対象としております。お気軽にご相談ください。

いわもと皮フ科クリニックでの多汗症治療

「脇汗で人前に出るのがつらい」「夏が憂鬱」――多汗症は、見た目の問題だけでなく、精神的にも大きな負担となる症状です。しかし、適切な治療を受ければ、症状を大幅に改善できる病気です。

いわもと皮フ科クリニックでは、多汗症の診断から、保険適用の塗り薬(エクロックゲル等)、ボトックス注射まで、一人ひとりの症状に合わせた治療をご提案いたします。ボトックス注射は脇・手のひら・足の裏のいずれも各22,000円で対応しております。

辻堂・藤沢・茅ヶ崎エリアで多汗症にお悩みの方は、薄着シーズン本格化の前に、お早めにご相談ください。

「これって多汗症かな?」と気になり始めた時が、皮膚科を受診するタイミングです。

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