いわもと皮フ科クリニック

〒251-0047
神奈川県藤沢市辻堂2丁目4−30
田代ビル 2階

Instagram
メイン画像

酒さ・赤ら顔

酒さ・赤ら顔とは

酒さは「赤ら顔」とも呼ばれる慢性の炎症性皮膚疾患です。
顔面、特に鼻や頬、額などに赤みやニキビのような症状が現れるのが特徴です。

この疾患は30代以降に発症しやすく、男性よりも女性に多い傾向があります。
接客業など人前に出ること、話すことが多い仕事に就いてる方にとっては日常生活に支障をきたすこともあり、患者さまには精神的な負担も大きい病気です。

一般的なニキビ(尋常性ざ瘡)とは異なり、毛穴の入り口の角化や毛穴の詰まりを伴わないことが特徴です。
皮膚の症状だけでなく、ほてりやヒリヒリ感といった不快な感覚を伴うことも特徴的です。酒さは治療で症状の改善が期待できますが、根気強く取り組むことが大切です。

酒さ・赤ら顔の画像

酒さのタイプ

酒さは症状によって主に4つのタイプに分類されます。

①紅斑毛細血管拡張型
②丘疹膿疱型
③鼻瘤型
④眼型

これらのタイプは単独で現れることもあれば、複数のタイプが同時に現れることもあります。

紅斑毛細血管拡張型

顔面に持続的な赤みが生じ、毛細血管の拡張が特徴的です。鼻や両頬・あご・眉間・額など、顔の中心部分から赤み(紅斑)が広がります。 温度変化や飲酒、運動などの刺激で赤みが増悪しやすく、熱感やヒリヒリ感が伴うことがあります。

この型は女性に多く見られ、見た目も目立つので患者さまにとって精神的な負担が大きい症状です。

丘疹膿疱型

毛穴がある部分に赤い盛り上がり(丘疹)や膿のたまったぶつぶつ(膿疱)が見られます。 見た目はニキビに似ていますが、ニキビと違って毛穴でないところにぶつぶつがみられ、毛穴の詰まりは見られません。

紅斑毛細血管拡張型と併存していることが多く、炎症が強いのが特徴です。

鼻瘤(びりゅう)型

鼻の皮膚が厚くなり、こぶのようなもの(瘤腫)ができます。
毛穴が広がり、皮脂分泌が活発になります。 進行すると、皮膚がデコボコとして形が変わる場合もあります。

このタイプは男性に多く見られ、重症になると鼻の形状が大きく変化してしまうこともあります。

眼型

眼の周囲に症状が現れるタイプで、眼の充血、乾燥、異物感、かゆみなどの症状が生じます。 まぶたの縁が赤くなったり、角膜炎や結膜炎を併発したりすることもあります。他のタイプと併存していることが多く、見落とされがちですが、適切な治療が必要です。

当院における酒さの治療法

当院では酒さの治療は症状や重症度に応じて以下の治療薬を使用しています。

また、治療と並行して、日焼け止めや日傘などを使って紫外線を避け、乾燥を防ぐために保湿剤を塗り、刺激性の低い洗顔料を使用するなどのスキンケア指導も行っています。酒さは悪化と改善を繰り返すことがありますが、根気強く治療を続けることで症状のコントロールが期待できます。

診断を行っている画像

ロゼックスゲル(保険適応)

ロゼックスゲルは、メトロニダゾールを有効成分とする酒さの治療薬です。
2022年5月26日に日本でも酒さ治療薬として保険適用となりました。欧米では標準治療薬として位置づけられています。

この薬は酒さ病変部に増加している活性酸素種の生成を抑えることで抗炎症作用を示します。また、免疫細胞によるTNF-αの産生や貪食細胞の免疫能等を抑えることで免疫抑制作用を示し、慢性の皮膚の炎症を抑えます。

使用方法は1日2回、患部を洗浄後(朝・夕の洗顔後または入浴後)に症状の出ている部位にのばして塗ることです。効果は徐々に現れ、赤みはゆるやかに改善し、赤い盛り上がりや膿をもったぶつぶつは比較的早く改善が期待でき、一般的には数か月で効果が見られます。

イベルメクチンクリーム(保険適応外)

イベルメクチンクリーム

イベルメクチンクリームは、酒さの原因のひとつとされる毛包虫(デモデックス)を減少させる効果が期待できる外用薬です。
赤みや丘疹・膿疱が見られる丘疹膿疱型の酒さに対して効果が期待できます。

1日1回、患部に塗布する使用方法のため、毎日のケアに取り入れやすい治療薬です。酒さ治療における選択肢のひとつとして広く使用されています。

副作用としては、塗布部位の赤み・刺激感・かゆみ・乾燥などが報告されることがあります。症状が気になる場合は、医師にご相談ください。

料金
1本 4,400円(税込)

アゼライン酸クリーム(20%配合/保険適応外)

アゼライン酸は、抗炎症作用・抗菌作用・角質正常化作用を持つ成分で、海外では酒さ治療の標準的な外用薬として広く使用されています。
当院では、アゼライン酸を20%配合した「ベーシックケアクリーム」(30g 3,300円)を取り扱っております。

この薬剤はケラチノサイトの増殖を阻害し、抗炎症作用を発揮します。また、酒さの患者さまに高いレベルでみられるセリンプロテアーゼKLK5(酒さの原因の一因)を抑制することで、酒さの治療に役立ちます。

使用方法は1日1〜2回、洗顔後に患部へ塗布します。効果が出るまでの目安となる期間は2週間程度ですが、使い始めに軽度の刺激感を感じる方もいらっしゃいます。刺激感が気になる場合は、使用頻度を1日1回や隔日など、症状にあわせて調整してください。

副作用としては、乾燥・かゆみなどが稀に起こり得ます。

イソトレチノイン(保険適応外)

イソトレチノインはビタミンA誘導体の一種で、毛穴の詰まりを抑制する作用、皮脂の分泌を抑える作用、抗炎症作用などがあり、難治性の酒さに対して効果が期待できる内服薬です。海外では「ロアキュタン」「アキュテイン」「イソトロイン」「アクネトレント」などの商品名で知られています。

この薬は酒さによる赤ら顔にも効果が期待されており、当院では重度に丘疹が多発しているケースや、ロゼックスゲル・イベルメクチンクリーム・アゼライン酸クリームで効果が乏しいケースにはイソトレチノインをおすすめしています。

使用期間はほとんどの患者さまはイソトレチノイン内服から6ヵ月で効果が期待できますが、治療期間には個人差があり、延長することもあります。

ただし副作用も多く、口唇炎や唇の乾燥は特に起きやすい副作用です。また、妊娠している方、妊娠予定のある方、服用期間中に妊娠する可能性のある方には禁忌とされています。

使用にあたっては必ず医師の指導のもとで服用し、副作用を防ぐため、イソトレチノインの服用開始時と、治療から1ヵ月後に血液検査を行うなど、定期的な検査と管理が必要です。

料金
1ヶ月分 16,500円(税込)

VbeamⅡ(保険適応外)

VbeamⅡ(Vビームツー)は、皮膚の赤みの原因となる拡張した毛細血管に反応する色素レーザーです。
顔全体の持続的な赤みや、毛細血管の拡張が目立つ紅斑毛細血管拡張型の酒さに対して、赤みの改善が期待できます。

レーザーの光が血管内のヘモグロビンに吸収され、拡張した血管に働きかけることで赤みの軽減を図ります。照射時には冷却装置により肌を保護しながら治療を行います。

副作用としては、照射直後の赤み・軽度の腫れ・紫斑(内出血のような色調変化)などが生じることがあります。

当院では2026年9〜10月頃の導入を予定しております。料金や治療の詳細につきましては、導入時にあらためてご案内いたします。

以上が当院で提供している酒さ・赤ら顔の治療についての説明です。
症状や体質に合わせて最適な治療法をご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。

症例(ビフォーアフター)

診断:酒さ(赤ら顔)

Before

イベルメクチンクリーム使用前

After

イベルメクチンクリーム使用後

治療内容:イベルメクチンクリーム外用

標準的な治療期間・回数:1日1回塗布、2〜8週間の継続使用

副作用・リスク:軽い刺激感、乾燥、赤みの一時的悪化

料金:1本 4,400円(税込)

※効果には個人差があります
※施術内容や経過は患者様により異なります

執筆者

理事長 岩本 雄太郎

医療法人社団 いわもと皮フ科クリニック
理事長 岩本 雄太郎

専門資格
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医

所属学会・研究会
日本皮膚科学会

⇒理事長紹介はこちら

本治療に関する重要事項

ロゼックスゲル(メトロニダゾール製剤)は、日本国内で「酒さ」を効能・効果として薬機法上の承認を受けた医薬品です。

イベルメクチンクリームは、日本国内において酒さ治療を目的とした外用薬としての薬機法上の承認を受けていない医薬品です。本剤は医師の個人輸入により調達しております。本剤は米国・欧州など多くの国で酒さの外用治療薬として承認されています。

アゼライン酸クリーム(ベーシックケアクリーム)は、日本国内において酒さ・ニキビ治療を目的とした医薬品として薬機法上の承認を受けていない製品です。本製品は化粧品として取り扱っております。海外では多くの国で酒さ・ニキビ治療薬として承認されています。

イソトレチノインは、日本国内において薬機法上の承認を受けていない医薬品です。本剤は医師の個人輸入により調達しております。本剤は米国・欧州など多くの国で重症ニキビ治療薬として承認されており、酒さに対する使用は各国で適応外使用となります。胎児奇形・うつ症状・肝機能障害・脂質代謝異常等の重大な副作用が報告されており、各国で厳格な処方管理が義務づけられています。妊娠中・授乳中・妊娠を希望される方は服用できません。

VbeamⅡ(色素レーザー)は、日本国内で薬機法上の承認を受けた医療機器です。酒さ・赤ら顔に対する治療は保険適用外の自費診療となります。