
ほくろ
ほくろ(黒子)とは
ほくろは医学的には「色素性母斑」と呼ばれるものです。
シミと同様にメラニン色素を含むため黒く見え、通常は3歳頃から20歳くらいまでに発生します。平らなものもあれば膨らみを帯びたものもあり、この膨らみは主に加齢によるものとされています。
ほくろの多くは母斑細胞性母斑(色素細胞母斑)とも呼ばれ、胎生期からある母斑細胞が生まれた後も少しずつ増殖し、目に見えるようになったものです。一般的に数mm〜1cm程度のものは「ほくろ」、それより大きいものは「黒あざ」と呼ばれることもあります。
黒いほくろ以外にも「赤いほくろ」が存在します。
また、年齢とともにほくろが増えることもよくあります。
ほくろと悪性黒色腫(メラノーマ)を見分ける特徴として、形(円形か不規則か)、境目(くっきりかぼやけているか)、色(均一かむらがあるか)、大きさ(6mm以下か以上か)、隆起(進行性かどうか)などがあります。
正常なほくろはほとんどの場合心配ありませんが、変化に気づいたら皮膚科の診断を受けることが重要です。

ほくろの治療方法

ほくろは皮膚の深い部分(真皮)まで細胞が入り込んでいることが多く、しっかり取り切るためにはラジオ波メスや小手術での除去が必要になります。
当院では、見た目の自然さや治りやすさを重視した治療を行っています。
ラジオ波メスによる治療
高周波のラジオ波エネルギーを用いて、ほくろを丁寧に削っていく治療法です。
麻酔の注射を行ってから施術を始め、ほくろの深さに合わせて削る範囲を調整します。
術後は浅い傷になりますが、抗菌薬と保護テープでケアを行い、1〜2週間ほどでふさがります。
その後もしばらく赤みが続きますが、通常3〜6ヶ月でまわりの皮膚となじんでいきます。
特に顔にあるほくろでは、自然に治りやすく、傷跡が目立ちにくい仕上がりになることが多いため、当院ではこの方法をよく使用しています。
手術による治療
メスでほくろを切除し、周囲の皮膚を縫合する方法です。
深い位置にあるほくろや、顕微鏡での病理検査が必要な場合に行います。
術後は翌日に傷のチェック、1〜2週間後に抜糸を行います。
術後のケアも丁寧に行い、できる限り目立たない傷跡になるよう配慮しています。
治療後の経過と注意点
術後は赤み・かゆみ・へこみが出ることがありますが、多くは時間とともに改善します。
傷跡をきれいに治すために、保護テープの貼付や紫外線対策を継続することが大切です。
傷の状態によっては、色素沈着や盛り上がりが残ることがありますが、必要に応じて追加治療をご提案します。