Vビームとは?赤ら顔・毛細血管拡張症への効果とダウンタイム・保険適用を皮膚科専門医が解説
2026/08/18

「頬の赤みがずっと引かない」「小鼻の周りに細い血管が浮き出て見える」「化粧をしても赤みが隠しきれない」。こうしたお悩みは、スキンケアや塗り薬だけでは改善が難しいことがあります。
顔の赤みの原因が、拡張した毛細血管にある場合、有効な選択肢のひとつが「Vビーム」と呼ばれる色素レーザーです。血管に含まれるヘモグロビンに反応する光を照射することで、赤みの目立ちにくい状態を目指す治療です。
この記事では、辻堂駅前のいわもと皮フ科クリニックが、Vビームで期待できる効果、ダウンタイム、保険適用の条件について解説します。なお当院では、2026年9〜10月頃にVビームIIの導入を予定しております。
【目次】
Vビームとは?

Vビームは、色素レーザー(ダイレーザー)と呼ばれる種類の医療用レーザーです。595nmという波長の光を照射し、血液中のヘモグロビンに吸収させることで、拡張した毛細血管に作用します。
この波長は血管に強く反応する一方、周囲の皮膚や色素細胞への影響が少ないという特徴があります。そのため、赤みの原因となっている血管をねらって治療することができます。
VビームIIの特徴
・冷却装置(DCD)を備えており、照射と同時に皮膚を冷やしながら治療できる
・照射時間の設定を細かく調整でき、症状に合わせた治療が可能
・国内で薬事承認を受けた医療機器
・シミ取りに用いるレーザーとは、反応する対象(血液か、メラニン色素か)が異なる
シミ取りレーザーとの違い
シミ取りに用いるピコレーザーは、メラニン色素に反応してシミを砕く治療です。一方Vビームは、血液中のヘモグロビンに反応して血管に作用します。
そのため「赤み」と「シミ」では、適した機器が異なります。顔の色ムラが赤みによるものか色素によるものかは、診察で見極める必要があります。
Vビームで治療できる症状

単純性血管腫(赤あざ)
生まれつき皮膚に赤いあざがある状態です。自然に消えることは少なく、Vビームによる治療が標準的な選択肢とされています。保険適用の対象となります。
毛細血管拡張症
頬や小鼻の周りに、細い血管が糸状に浮き出て見える状態です。紫外線や加齢、生活習慣などが関係するとされ、悪化すると赤みが常に目立つようになります。
酒さ(赤ら顔)
顔の中心部が慢性的に赤くなる皮膚疾患です。温度差や飲酒、運動などで赤みが強くなりやすく、ほてりやヒリヒリ感を伴うこともあります。塗り薬や内服薬で十分な改善が得られない場合に、Vビームを併用することがあります。
保険適応外
ニキビ跡の赤み
ニキビが治った後に残る赤みは、炎症によって拡張した血管が原因のひとつです。時間の経過とともに薄くなることが多いものの、長引く場合にはVビームによる改善が期待できます。
保険適応外
いちご状血管腫(乳児血管腫)
乳児期に現れる盛り上がった赤いあざです。早期の治療が推奨されており、保険適用の対象となります。
Vビームは保険適用されますか?

Vビームによる治療は、疾患によって保険適用となる場合と、自費診療となる場合があります。ここが分かりにくい部分ですので、整理してご説明します。
保険適用となる主な疾患
・単純性血管腫(赤あざ)
・いちご状血管腫(乳児血管腫)
・毛細血管拡張症
・毛細血管奇形
これらは病気として治療する対象となるため、健康保険が適用されます。ただし、保険適用には照射回数や間隔に決まりがあり、無制限に受けられるわけではありません。
自費診療となる主な症状
・酒さ(赤ら顔)
・ニキビ跡の赤み
・美容目的での肌の赤み改善
これらは保険診療の対象外となるため、自費でのご案内となります。
診察で判断いたします
同じ「顔が赤い」というお悩みでも、原因によって保険適用の可否が変わります。ご自身では判断が難しいため、まずは診察をお受けください。当院は保険診療と自費診療の両方に対応しておりますので、症状に応じて適切な形をご提案いたします。
Vビームのダウンタイムと経過
照射直後:赤みと軽い腫れ
照射した部分に赤みが出て、少し腫れたように見えることがあります。多くは数時間から翌日には落ち着きます。
紫斑が出る場合
出力の設定によっては、照射部位が青紫色になる「紫斑」が生じることがあります。内出血のような見た目で、おおむね1〜2週間かけて薄くなっていきます。
紫斑が出る設定のほうが効果は高い一方、日常生活への影響も大きくなります。当院では、症状とご都合をうかがったうえで、紫斑が出にくい設定での照射もご提案いたします。
数日後〜
赤みや紫斑が徐々に落ち着き、肌の色になじんでいきます。照射当日からメイクは可能ですが、患部を強くこすらないようご注意ください。
治療回数の目安
症状によって異なりますが、複数回の照射を重ねることで改善を目指す治療です。単純性血管腫では10回以上の照射が必要になることもあります。毛細血管拡張症や酒さでは、数回の照射で変化を実感される方が多い傾向です。
Vビームの副作用・リスク
Vビームは比較的安全性の高い治療とされていますが、次のような反応が生じることがあります。
・照射直後の赤み、ほてり、軽い腫れ
・紫斑(青紫色の内出血のような変化)
・一時的な色素沈着
・まれに水疱、色素脱失(皮膚の色が抜ける)
・治療後の日焼けによる色素沈着
日焼けをしている状態では照射できない場合があります。また、照射後は紫外線対策を徹底していただく必要があります。
こんな方におすすめです
・頬や小鼻の赤みが引かず、化粧で隠しきれない方
・細い血管が浮き出て見えるのが気になる方
・酒さと診断され、塗り薬や内服薬だけでは改善しなかった方
・ニキビ跡の赤みが長引いている方
・赤あざの治療を検討されている方、お子様の血管腫でお悩みの保護者の方
当院でのVビーム導入について

当院では、2026年9〜10月頃にVビームIIの導入を予定しております。導入後は、保険診療と自費診療の両方で対応する予定です。
料金につきましては、導入時にあらためてご案内いたします。
なお導入までの間も、赤ら顔・酒さに対しては、保険適用のロゼックスゲルをはじめ、イベルメクチンクリーム、アゼライン酸クリーム、イソトレチノインなどによる治療を行っております。まずは診察で症状を確認させてください。
よくあるご質問
Q. 治療は痛いですか?
A. 輪ゴムで弾かれたような痛みがあります。VビームIIは照射と同時に皮膚を冷やす仕組みを備えているため、痛みは軽減されます。
Q. 何回受ければ改善しますか?
A. 症状によって大きく異なります。毛細血管拡張症や酒さでは数回、単純性血管腫では10回以上の照射が必要になることもあります。診察時に目安をお伝えいたします。
Q. 子どもでも受けられますか?
A. 乳児血管腫や単純性血管腫では、早期の治療が推奨されています。年齢や症状に応じて対応いたしますので、ご相談ください。
Q. シミも一緒に治療できますか?
A. Vビームは血管に反応するレーザーのため、シミにはピコレーザーによる治療が適しています。当院ではピコレーザー(ピコシュア)も導入しておりますので、症状に合わせて組み合わせをご提案いたします。
Q. 治療後すぐにメイクはできますか?
A. 照射当日からメイクは可能です。ただし紫斑が出た場合は、隠れるまでに1〜2週間ほどかかることがあります。
まとめ
Vビームは、血液中のヘモグロビンに反応する色素レーザーで、単純性血管腫や毛細血管拡張症、酒さによる赤ら顔などの改善が期待できる治療です。
単純性血管腫や毛細血管拡張症は保険適用となる一方、酒さやニキビ跡の赤みは自費診療となります。同じ「顔の赤み」でも原因によって扱いが変わるため、診察での見極めが重要です。
当院では2026年9〜10月頃の導入を予定しております。辻堂駅から徒歩1分、皮膚科専門医が診察いたしますので、顔の赤みでお悩みの方はお気軽にご相談ください。
酒さ・赤ら顔の治療については酒さ・赤ら顔のページ、原因や治し方については赤ら顔が治らない原因に関するコラムもあわせてご覧ください。
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